Let it go

The Darknessの新譜が出たので仕事帰りに購入。

イギリスでは2年前のデビューアルバムがバカ売れ、首相までが「ファンだ」と公言するほどの社会現象となった彼らだが、さて、今作は・・?
前作は「QUEEN + AC/DC + THIN LIZZY」という印象が強い、ストレートなロックアルバムだったのだが、今回はそこに普遍的なポップスの要素とイギリス特有の皮肉めいたユーモアを加味した、という感がある。勿論、上記のバンドからの影響は今作においても多々見られるのだが、それは飽くまでもアレンジ面での話であって、前作ほど露骨ではない。仮に今回も往年の名バンドからの影響をストレートに反映した楽曲を並べてしまったのであれば、相当の反発を食らうだろうし、一発屋で終わってしまう可能性も高い。だからこそ2作目には独自性が求められる訳であって、それを生み出す事が出来なければこのバンドの存在意義も希薄になる。そういった意味で肝になったのはやはりジャスティン・ホーキンスのアクの強い裏声ヴォーカルだろう。その声を生かした楽曲をどれだけ多面的な形で生み出す事が出来るか、それが今作のテーマであるように思える。初期衝動に任せたロックチューンだけではなく、じっくり聴かせる方向にシフトした、と言えば良いのだろうか。その上でプロデュースを担当したロイ・トーマス・ベイカーの存在が大きかったであろう事は想像に難くない。前作には無かったサウンドの整合性や細かなアレンジにその影響が聴いて取れる。少々地味なアルバム、とも感じられるのだが、この音楽性や楽曲面での拡散はライヴにおいて大きな意味を持つのだろうと思う。揺れ幅の大きい、スケールアップしたショウを展開できる事になるのだから。
なんだかDEF LEPPARDの「HYSTERIA」を聴いた時の感覚を思い出した。ライヴを続けるうちに、気が付いたらとんでもない枚数を売っていた、という作品になるかも。