昨日の出来事

昨日の朝、出勤時に会社近くの交差点で信号待ちしていたら、交差点に停まっていた自転車に乗った初老の男性が突然仰向けに倒れこんでしまった。それなりに混雑した状況であるにも関わらず、誰一人としてその状況に気が付いていない様子だ。急いで路肩に車を止めて、その男性の許に駆けつけた。
「大丈夫ですかー!!!」と声をかけてみる。
「あ、あ、あ、あ、大丈夫」と全然大丈夫じゃない声色で答える男性。
どうやらその男性が言うには突然貧血に襲われて倒れてしまったそうだ。大丈夫とは言うものの、立ち上がる事さえ出来ないし、顔面は蒼白で、瞼の辺りは充血もしている。「いいよいいよ、面倒かけたくないから。このまま寝てれば直るから」とは言われたのだが、そのまま放っておく訳にはいかないし、第一この男性が倒れている場所は某社の敷地内だ。このまま仰向けで倒れこんでる事自体が僕にとってもこの会社にとっても面倒な状況なのだ。よって半ば強引に119番通報、救急車を呼んだ。
救急のオペレーターの話だと、すぐに車は手配するので、到着するまで付き添っていてくださいとの事。で、その男性と共に車の到着を待つ事にしたのだが、ここで一つ気が付いた。
完全に仰向けになって動けない男性。
ハザードを点けて停まっている自分の愛車。
そしてそこに所在なさげに付き添う俺。
どう見ても俺が轢いちゃったようにしか見えないじゃねーか。
俺の横を過ぎていく車のドライバーは皆、「かわいそうな人を見る目」で俺を見てる。違う、違うんだ、俺は人助けしてるんだ、勝手に勘違いするな! あ、そういえばこの道は他の社員も通勤で通るじゃん。て、事は・・・
「あ、轢いちゃった?」と通り掛りの上司。だから、違うって!!!