He ain’t heavy, he’s my brother

血とは不思議な物だ。この場合の「血」とは血縁の事を指すのだが、どうやら遺伝子レベルなのか、はたまた科学的には考証できないレベルなのか、とにかくその血は、繋がりのある者に同じ思考を促す作用があるみたいだ。

2日前、「笑ってポン!が見たい」と僕は書いた。「笑ってポン!って何?」という人に説明すると、これは80年代の前半に放送されていたお笑い番組である。ビートたけしサザンオールスターズ竹中直人近藤真彦なんかが出演していた番組で、とにかくシュールなショートコントを矢継ぎ早に繰り出すという、今のお笑い番組の雛形とも言えるであろう番組。この時代のたけしが出ていた番組は速攻で終わってしまうのがその特徴で、シュールすぎるが故に一般的な認知は受け難かったのかもしれないが、マニアックな嗜好の人々には相当受けていた。

で、その文章を書いた翌日、兄から突然メールが来た。
「あー、笑ってポンが見てえ」
そこにはそう書いてある。ここで指摘しておくと、僕の兄はこのブログの存在を知らない。それどころかインターネット環境も持ってはいない。メールだって携帯メールだし、ほんの数ヶ月前に使い始めたばかりだ。さすがに驚いて連絡してみると、どうやら飲みの席で笑ってポンの話題になったらしい。で、酔った状態で僕にメールしてきたのだ。しかしまさか同じ事を同じタイミングで考えているとは。

そういえば昔もそんな事があった。大学生の頃、新しいギターを調達しようと考えていた時、僕の頭に最初に浮かんだのがフライングV。所謂V型の変形ギターなのだが、その当時フライングVは完全に時代遅れのどちらかと言うと持っていて恥ずかしいモデルだった。でも、僕はそこに目をつけた。誰も使っていないからこそ、個性になりえるのではないだろうかと。それから数日後、兄のマンションに行くとそこにはフライングVが。どうしたのか聞いてみると、僕と同じ理由で購入したと言うではないか。さすがに同じものを買うのは躊躇し、ギター購入は止めたのだがさすが兄弟、同じ事考えてるなあ、なんて思わずにはいられなかった。その一年後、僕もVを手に入れたのだが兄貴に貸し出して以来、今はどこにあるのか判らない。

親父が持ってたりして。・・・まあ、そりゃあ無いか。