Air Guitar

1年ほど前友人の車に乗った際、あるCDを聴く事になった。その友人曰く「お笑いCD」らしい。ジャケットにはギターを弾く真似をした人物のイラストが描かれており、解説書には様々なポーズを取りながら虚空にギターを抱える真似をした男の写真がキャプション付きで何枚も掲載されているそうな。更にそのCDで聴ける音源はカラオケをバックにオッサンが絶叫している物らしいのだが、果たして・・・・?

まず流れてきたのはかの有名なQueenWe Will Rock You(ドンドンパッ、ドンドンパッ、ってヤツですな)。・・・・うーん、どう聴いても本物だ。じゃあその他の曲は? ・・・・やっぱ本物のヴァージョンじゃないスか。つーか、名曲のオンパレードなんですけど。「これ、全部ホンモノだよ」と説明するとその友人は驚いたのだが、ロックに疎いその友人にはフレディ・マーキュリーやジョー・エリオット(Def Leppard)のハイトーンは「オッサンが叫んでる声」にしか聴こえないらしい。ちょっとそのCDのケースを見せてくれ、という事で手に取ったのが以下の物。

Best Air Guitar Album in the World Ever

Best Air Guitar Album in the World Ever

このCDの題名になっている「Air Guitar」とは所謂ギターの「弾き真似」の事。つまりはこのCDに合わせて思い存分弾き真似してくれ、という趣旨なんでしょう。だから解説書には「弾き真似をしたポーズの写真」も載ってる訳だ。確かにこの趣旨はバカバカしいのだが、実はエア・ギターは結構世界的に認知された楽しみの一つで、なんと「エア・ギター世界大会」まで開催されていたりもする。これはある意味のど自慢大会に近いノリかもしれないね。だって成りきる事で快感を得る、という事なのだから。

「ギターを実際に弾く人にはエア・ギターは必要無いでしょ?」とその友人に言われたのだが、実はそんな事は無い。何故ならギター弾きには「一人ライヴ」という他人に見られたら非常に恥ずかしい楽しみがあるからだ。

「一人ライヴ」とはCDに合わせて実際にアクションを付けながらギターを弾く行為である。もうその瞬間だけは1万人のオーディエンスを前に弾きまくるギターヒーローになり切ってる訳ですわ。この「一人ライヴ」の最中に友人や恋人が何の前触れも無く部屋に入ってきた場合にはそれこそxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxしてる所を見られた時と同様の恥ずかしい思いをする訳ですな。ああ、因みにこのバツ印には深い意味は無いですよ、多分、きっと。