Gabba Gabba Hey

runt51502005-06-07

今日は仕事が休みだったので午前中はアレルギーの専門医に行き花粉症の処方を施してもらい、午後はドライブがてら買い物に。そこで立ち寄ったCD店で2本ほどDVDを購入。一本はJoni Mitchellのライヴ「Shadows And Light」(79年、天才ベースプレイヤー故Jaco Pastorius、ジャズギターの第一人者Pat Methenyらを従えた伝説のライヴだ)、そしてもう一本は発売されたばかりのRamonesのドキュメント「End Of The Century」。

RamonesとはNY出身のパンクバンドで、所謂パンクの創始者として有名。セールス的には決して成功したバンドとは言えないけれど、3コードで押し捲る特有の音楽的スタイルは世界中のパンクバンドに大きな影響を今でも与え続けている。Ramones自体は90年代中盤に解散しており、また中心メンバーも21世紀に入って相次いでこの世を去ってしまった。だからこそ今、この時代に再検証してみる事に大きな意味があるのだと思うが、つくづくバンドって難しいものだと感じる。

Ramonesの大きな特徴としてお揃いの衣装(ライダース、Tシャツ、ブルージーンズ以外着用しない)、そしてステージネーム(加入したメンバーは全員Ramone姓を名乗っていた)が挙げられ、それ故にファンはメンバーは固い結束の下に活動していたと信じていたのだが、このドキュメントでは当時のボロボロだった人間関係が赤裸々に語られる。

メンバー同士の溝は解散、そして死を迎えてもなお埋まる事は無かったのだが、何故彼らはそれでもRamonesというバンドにこだわり続けたのかを考えると、自身のアイデンティティがそこに存在している事を理解していたのだろうし、仮にそれを失ってしまうのならば、イコール自身の喪失となる事も重々判っていたのだろう。つまり自分が自分である為にバンドを続けていた、と言えると思うのだが、そのバンドが消滅した後に相次いでメンバーがこの世を去ってしまったというのはなにか象徴的だ。

しかしながらセールスでは計れないRamonesの偉大さはこれからも後続に影響を与えていく訳で、自分達で蒔いた種を刈り取る事は不可能だったのかもしれないが、このバンドが活動を続けた事実にはそれだけでも大きな意味があった、と言えるのではないだろうか。