Looks That kill

僕が10代だった80年代(80〜89年の事だ)、間違いなくハードロックやヘヴィメタルは人気のある洋楽の一ジャンルだった。まあ、この話は以前にも何度も書いてる気がするので詳しくは書かないが、88年頃かな、新聞でこんな感じの記事を読んだ。因みに書いたのはそこそこ有名な女性音楽評論家だった。

「今この手の音楽が人気があるのは70年代と違ってアーティストが美形揃いで、それが理由で市民権を得てるって事なんですよ〜♪」
まあ、僕としては「バカじゃねーの!? それって単なる自分の趣味だろ」と思った訳ですが、確かにカコイイ方々が婦女子を虜にしてたのは紛れも無い事実だったりもする。以下にあげるこんな方々ですな。*以下カッコ内の年号は写真が撮影された年*

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Jon Bon Jovi & Ritchie Sambora of Bon Jovi(1988)
今の彼らのイメージしかない人達には違和感あるかもね。「かっこいい」よりも「かわいい」と言う女の子が多かった気がする。


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Motley Crue(1987)
女の子に限らず、野郎にも絶大なる人気を誇ったLAを代表するバンド。左から2番目のNikki Sixxは過去、現在を問わずカリズマティックな魅力を放ち続けている。ベースのNikki、ドラムのTommy Lee(一番右)の2人が特に人気がある変わったバンド(普通はヴォーカルとギターだ)。


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Hanoi Rocks1984
フィンランドを代表するバンドの一つ。ハードロックというよりはRolling Stones等の流れを汲む不良のロックンロールが魅力。真ん中のヴォーカリスト、Michael Monroeの中性的なイメージが日本では特に人気を呼ぶ要因の一つだった。なんたって苗字が「モンロー」ですから。僕は最初に見た時、女だと思った。


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Guns N' Roses(1988)
80年代後半から90年代前半にかけて、間違いなく世界一人気のあったバンド。メンバー全員にカリズマがあって、且つ曲も良い。ヴォーカルのAxl Roseの真似してバンダナ巻いて歌ってるヤツがごろごろいたなあ。木村拓哉がスマスマでAxlの格好でネタやってたよ、そういえば。

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Skid Row(1988)
Bon Joviのサポートを受けてデビューしたバンドだったけど、出てきた音は正統的なメタルの音だったので、これまた男女問わず人気ありました。右から2番目のヴォーカリスト、Sebastian Bachが一番人気だった。その昔、東京駅で彼が何者かも判らない女子高生の集団に「誰だか判らないけどあの外人かっこいいー」と写真撮影責めに遭っていた。そんな彼も今ではブロードウェイのミュージカルスターだったりする。



正直に言ってしまえば僕もこれらのバンドは大好きでした。いや、でもさ、ルックスに惚れたわけじゃなくて、その出てくる音に惚れたのであって、それを「美形だから人気が爆発した」なんて言われるとどうしても「?」となる訳ですよ。確かにカッコいい方が良いんだけどね。それにルックス云々とか言われてしまうと、僕がこの手の音楽に一番入れ込んでいた80年代そのものを否定する事になってしまうのだ。何故なら・・・・・

ここで僕の音楽的嗜好の変遷を写真付きで辿ってみよう。





1986年・3月
兄貴がくれた一本のテープがきっかけでメタルにはまる。ドイツのメタルバンドAcceptの「Restless&Wild」がそれだ。耳をつんざく金切り声、突進しまくりの楽曲、とにかくすべてが新鮮で「こんな音楽が世の中にはあるのか」と驚いた。
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Accept(1986)
左から2番目の坊ちゃん刈りの豆タンク(Udo Dirkschneider)がヴォーカルです。同じヴォーカルでもSkid RowとかHanoi Rocksと比べてしまうとやはり雲泥の差がある事は否めない。事実、86年後半に「ルックスが悪いから」という理由でUdoさんは首になってしまいました、トホホ。




1986年・4月
高校に入学。クラスには何故かメタルが好きな連中が揃っていて、その場でバンドも結成した。その当時のバンドのドラマーが好きだったのがMetallicaやVenom等に代表されるスラッシュメタル。Accept以上に激しい音に更に感激。ここで僕の人生が決まった気がする。
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Metallica(1986)
今でも第一線で活動するメタルを代表するバンドの一つ。今の彼らも好きだけど、やっぱりこの時代が最高だったなあ。ボロボロのジーンズにTシャツ、ライダースはやっぱ男の基本でしょ。
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Venom(1985)
「世界最悪・最低のメタルバンド」の異名を取ったイギリスのサタニック大王。その音はまさしく地獄の沙汰(単に「下手糞」とも言う)。でも一番右のギタリスト、Mantasは「俺のかーちゃんの手料理は世界一!」なんて発言も飛び出すノンキ君だったりもするからメタルは侮れない。



1986年・7月
この年の夏休み、僕にとっての最大のギターヒーローであるGary Mooreとの出会いが。兄貴が置いていった一本のテープを何気なく再生したのだが、その後20年近く僕にとっての指針であり、目標である人物になり得るとはその時は思いもしなかった。
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Gary Moore(2002)
はい、そこのあなた、「酷いルックスだなあ」とか思っちゃったでしょ。ええ、僕もそう思いますよ。でもこの人のギターは最高なんですよ。所謂「泣きのギター」ってヤツで、音だけ聴いたらそこらへんの婦女子はノックアウトですよ。代表曲「パリの散歩道」は数あるギターの名曲の一つに挙げられます。ま、この人の場合ハードロックというよりブルーズですな。彼を敬愛し真似しまくった挙句にこの「いい顔」でギターを弾くのが癖になってしまったのは他ならぬ5150だったりする。ギターソロ弾く時は笑われる頻度がかなり高い。




いやあ、僕の好きな連中はどいつもこいつもルックスに難アリですね。でもこの人達も大人気だったんですよ。いや、マジで。しかしながら80年代に人気があった→否ルックスによる、というお話で書くつもりだったのですが、こうして改めて見てみるとやはりルックスは重要だなと。なんだか矛盾した結論が・・・・