RR

runt51502005-03-19

毎年3月19日になるとランディ・ローズの事を思い浮かべてしまう。

今でも活躍を続けるハードロックの代表的アーティストであるオジー・オズボーン、そのオジーのバンドの初代ギタリストがランディ・ローズであり、彼は1982年の3月19日、飛行機事故により他界している。

僕が本格的に音楽に目覚めたのは1986年、高校一年の時。ひょんな事からクラスメイトとバンドを組む事になったのだが、その当時、僕はベーシストとしてバンドに参加したので特別ギターに関心を抱く事はなかった。実際、小学生の時にブラスバンドで担当していた楽器も低音部を受け持つ管楽器だったので、そういう縁の下的な役割が自分の性に合っている気もした。

バンドを始めると同時に音楽を聴く事にものめり込んでいった訳だが、そんな86年のある日、一枚のアルバムと出会った。それがオジーの1stアルバム「ブリザード・オブ・オズ」。実際オジーの音楽はそれまでにも聴いた事はあったのだが、86年当時には3代目の日系人ギタリスト・ジェイク・E・リーがギターを担当していたので、僕にとっては「オジーのギタリスト=ジェイク」というイメージが強かった。まあ、昔のアルバムも聞いてみるか、くらいの軽い気持ちでレコードをターンテーブルに載せたのだが・・・

とにかく感動した。ハードロックがただ単にうるさいだけの音楽じゃないって事には既に気が付いていたのだが、ここまで劇的で美しい音楽なのかと。オジーの歌声は所謂「変な声」なので好き嫌いが分かれるのだが、ランディのギターは違った。クラシック音楽をベースとした練りに練られたフレージングとオーケストレーション、それが時には激しく、また時にはやさしく聴く者の耳に飛び込んでくる。「ベースもいいけど俺もギター弾きたいな」と思わせるには十分すぎる程のインパクトがランディのギターから放たれていた。それから程なくしてベースと並行して僕もギターを弾く事となる。

ただ、愛聴盤となるアルバム、自身のヒーローとなるべきギタリストに出会えた事に嬉しく思いつつも、残念だったのが既にその人はこの世にいないという事実であり、そればかりは僕にはどうしようもない事。どんなに頑張ってもこの目で彼のギタープレイを拝む事は不可能なのだ。しかしながら願えば夢は叶う物で、翌年の春に82年当時のライヴを収めた追悼盤が発売される事になったのだ。もう速攻でレコード屋に予約し、発売日を指折り数えて待った。そして予約から数ヶ月経った87年の5月にその追悼盤「トリビュート」は僕の手元に届いた。

初めて聴くランディのライヴは荒削りで、彼よりも上手いギタリストは幾らでも存在すると思ったものだが、僕にとっては待ちに待った瞬間がやってきた訳で、その日は一日中繰り返し「トリビュート」を聴いていた。それから既に18年近く経過するのだが、今でも当時購入したアナログレコード、おまけで貰ったポスターは僕の部屋に保存してある。なんたって宝物の一つだから。

自分が知った時には既に他界している人に思い入れを持つ、というのは少々変な気もする。だけど僕にとっては今でも音楽を好きでいられる大きな切っ掛けであり、その思いは今でも変わらない。僕にとって3月19日はその思いを新たにする日でもあるのだ。
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