70

仕事帰りに本屋に寄ってレコード・コレクターズの5月号を購入。「70'S BRITISH HARD」という題目とQUEENのフレディ&LED ZEPPELINジミー・ペイジの表紙に惹かれたから買った訳だけど、そういえば僕が一番好きな音楽ってやっぱり1970年代のイギリスのハードロックかもしれないなあ、と改めて実感。4歳年上の兄貴がいつも聴いていた音楽がまさしくこの時代のロックで、子供の頃からなんだか良く判らないままに耳にする機会が多かった、というのが一番の理由なんだろうけど、決してそれだけでは無いかも。

雑誌に紹介されているアーティスト群を見てみると、ハードロックと一言で括るにはあまりにも多種多様な音楽性を標榜した連中が網羅されていて、例えばクラシックをベースにしているバンド、ロックというよりは黒人音楽に近いバンド、ジャズがベースのバンド、まあそのどれもが個性的でかつ魅力的なんですね。70年代という時代は、まだまだジャンル的にもビジネス的にもロックが進化を遂げていく過程にあった時代であって、進化過程であるからこそ、それぞれが暗中模索と試行錯誤を繰り返すが故に唯一無二の個性を備えていた、と。

今はどうしても「流行の音」とか「ジャンル」という物が前提となってビジネスが進行するので、個性的な音って生まれ難いんだよな。例えばQUEENなんて個性の塊みたいなバンドだったけど、今の時代に彼らが出てきたとしても支持を得られるか、と考えると非常に疑問だ。個性的過ぎるが故にジャンル訳がし難い。だから売る側も困ってしまう。どう売れば良いか判らないからマーケティング的に敬遠されてしまう訳だ。

でもジャンルなんて本当はあって無いような物であって、あえてそれが存在するとするならば、各バンドそれぞれが一つのジャンルと言うのが正しいのだろう。その人達からしか得られない特別な音を欲するのが自然な成り行きだと思うから。

つまり僕は個性のある物が好きなんですね。だから無炭酸コーラにも心を奪われるんだよ、多分。