Rebirth

夕食を食べた後にビデオレンタル店に寄ると、スポーツ新聞の体裁をあつらったドラえもんの広告(そのまんま「ドラえもん新聞」という名前)を見つけた。その中身を見てみると2006年に新作の映画「のび太の恐竜2006」が公開とある。

のび太の恐竜、懐かしい」と感じる人はほぼ間違いなく30代前半から中盤ぐらいの年齢じゃないだろうか。なんたって1980年に初めて公開されたドラえもんの劇場映画がこの「のび太の恐竜」だった訳だから。僕も80年当時、劇場で見た。20年以上経った2006年にリメイクするというのは昨今の映画の再生ブームともリンクしているのだろうけど、やはり最大の理由は声優陣のフルチェンジがあるんだろうなとも思える。

のび太の恐竜」はしっかりと原作が漫画版に存在していて、その漫画版を拡大したのが劇場版だった(漫画版は映画の1/3程のところで完結する。それに新たな話をプラスしたのが劇場版)。漫画時代から相当に人気のあったエピソードだったので記念すべき第1作にするならこれしかない、という製作側の意図もあって80年当時映画版は誕生したのだが、それを2006年に再生するというのはまさしく「新しいドラえもんのイメージを確立するには金字塔とも言える1作目に立ち返る必要がある」という事なのだろう。

既に確立された作品なので当然批判も噴出するだろう。個人的には「え、またやるの?」と感じる部分もあるが、その反面どういう話になるのかなと気にもなったりする。なぜなら80年当時映画を見終わった後、感動して涙を流してしまったから。今でも覚えているけれど、映画を見て涙を流してしまったのはこの時が初めてだった。一緒に見に行った友人も後日僕と同じく初めて映画をみて涙を流したと語ってくれたのだが、今回もそういういつまでも記憶に残る作品であったら嬉しいし、来年はじめてこの作品に接する人達にも大切な思い出の一つになるんじゃないだろうか。