Raise the Dead

昨晩は友人と落ち合い、ジョージ・A・ロメロの「Land of the Dead」を見に行く。
ランド・オブ・ザ・デッド / Official Website
好きな人には説明するまでも無いがこの作品、「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」〜「ゾンビ」〜「死霊のえじき」と連なるロメロのゾンビサーガ、約20年ぶりの新作である。高校2年の夏に3作目の「死霊のえじき」は劇場で見る事が出来たのだが、いやあアレから約20年、まさか21世紀にロメロの新作ゾンビ映画を劇場で見られるとは思わなんだ。感慨も一入。これも昨今のホラーブームの賜物か。
このシリーズ、ホラーの体裁を為してはいるのだが、実の所ゾンビ自体はその作品が作られた時代の象徴と言うか、所謂メタファーとして描かれている事は有名。今作は2001年の911テロをモロに髣髴させる内容となっており、ゾンビは「虐げられる存在=テロ国家として名指しされた国々で生活する貧しい庶民」と思わずにはいられない姿で描かれる。だから少々妙な話かもしれないが、見る側からするとゾンビ側にシンパシーを感じてしまうのだ。更に今回は大メジャーのユニバーサルが資本を出している関係だろうか、アクション映画としての側面が非常に強い。よって今までのシリーズと比較して恐怖度は低い(いや、この手が駄目な人たちには十分怖いのかもしれないけれど・・・・)。でも作品の質は相変わらず高いな、と。人間であったり社会の成り立ちや仕組みについて考えさせられるゾンビ映画なんてロメロの作品ぐらいしか無いからね。
ピーター・ジャクソンロード・オブ・ザ・リングの監督)もまたゾンビ映画撮らないかなあ。ま、あの人の場合は「これでもかっ!!!!!!」というくらい激烈な残酷描写が特徴だったから人間や社会について考える余地も無いくらい悲惨な作品になる事間違いないんだけどさ(苦笑)。